陰翳礼讃の如く
★★★★★
谷崎潤一郎の随筆である『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)をまさに表現したような作品だと思いました。
日本の四季や感性を見事に描写出来ており、さらに秀逸な音楽と相まって、他の追随を許さない作品に仕上がっています。ラスト10分の映像と音楽は鳥肌ものです。
ただ、途中実写とアニメーションを合成したシーンが多々あり、かなりのクオリティの低さに驚きます。意図は全く不明ですが、何か新しい試みがしたかったのかなと勝手に判断。
アレンジなしの四編バラ買いを推奨する方も多いですが、一つの映画として観れるという意味で特別編を進めます。いちいちDISCを変えていたら興が醒めてしまうものです。
当時の時代背景や、人間の儚さを美しく描いた日本が誇る日本のアニメの名作
★★★★★
音楽や映画にしろ、最近のアート業界ではあまりに商業目的すぎる作品が増え続ける中、
この作品はそれらの価値観を打ち砕き、我々に本当の大切な何かを気付かせてくれる
アニメという枠だけでは収まりきらない芸術作品の一つだと思います。
登場人物の描写、古来からの日本の良さや味と最新の技術をミックスさせた
見事なまでの背景画や音楽、ストーリー構成や、絶妙な空気のタメや流れ、
細かな所にも意味深い表現が描かれている拘り様。
生々しくも迫力のある戦闘シーン。
そのどれもが素晴らしく、まさに作り手の魂がこめられているのが作品を通して伝わってきます。
この作品、素晴らしく描写された主人公やヒロインに感情移入してしまうのはもちろんなのですが、
敵役の方にも物凄く味があり、そこも魅力の一つであると思います。
特に剣心が雪山で最後に死闘を繰り広げる敵の頭が
巴に人間の業等について語るシーンですが、
その語る内容の濃さと、バックに映る大仏とが上手い具合に重なり
もはや宗教的なレベルにまで達する奥深さと味がありました。。
あと、他の方のレビューでも絶賛されているラストの方で巴が剣心を後ろから抱くシーン。
ああいったシーンは他のアニメでも割とあるようなシーンかもしれませんが、
この作品ではその同じシーンを一つとっても重みが全然違います。
それを決定的に分けるのがそのシーンに到達するまでのこの物語の内容その物の濃さでしょう。
そしてそれらをさらに感傷深くさせているのが、
最後に流れる美しくも切ないエンディングの曲。
言葉では上手く言えない何かが溢れ出し、自分も思わず涙してしまいました。。
色々語りましたが、この作品はストーリーに
愛、哀、憎 等の人間の様々な感情や、
当時の激動の時代の乱世をなんとか変えようとした純粋で誠実な若者達の心理やその時代背景、
さらには人間や世の中の本質的なものまでをも様々な深い部分を上手に交わせ、
とにかくそれらがとても高い完成度で美しく表現できているレベルの高い作品です。
剣心ファンでまだこの作品をご覧になっていない人はもちろんの事、
るろうに剣心をまだ全然知らない人も含め、
余計な固定概念等は一切省いて是非最後まで通してご覧になってみて下さい。
そしてこの作品を観終わった後、あの迫ってくるなんとも言えない重く哀しい余韻に浸って下さい。
色々と考えさせられる事や新しく発見できる事がきっとあるはずです。
こんなに素晴らしく美しい作品に出会わせてくれて、ただただ感謝です。
ありがとう。。
千紫万紅
★★★★★
「あぁ
美しいなぁ…」
見始めてから見終わった後も終始感じた感想です。
様々な花がそれぞれの色で咲き誇るかのように
作品の隅々に卓越した
『仕事』
が施されています。
だれにも一度くらい惚れ込んで
『手放したくないモノ』
に出会う時があるかと思います。
あえて大袈裟に言わせて頂きます。
あなたの今世において金輪際これ以上の作品に出逢う事はありません。
買っておきなさい。
切なくなる
★★★★★
かなり名作だと思います
この作品に出会えてよかったです
映像全体に魂が宿っているような・・
★★★★★
一言で言うと非常に良い作品
吉田松陰辞世の句「身はたとひ・・」をはじめ幕末の雰囲気を感じるには最適
ラストエピローグ時の剣心がひたすら走り続けるシーンでは、
なにかこう司馬遼太郎作「竜馬が行く」を読んだときと同じような
胸に込み上げてくる≪何か≫を感じました。
今までに見たアニメの中でも三本の指には入る「名作」だと思います。