DVDの冊子にある監督のコメントを読むと、この作品に対する監督の思いが伝わってきます。
アニメに無知な私でも、丁寧に作られていると感じましたし、一つの作品としての評価としては
かなり高品質だと思います。
ただ、「るろうに剣心」の終幕として考えるなら、このラストは絶対に認めたくありません。
本作は、最期まで過去に囚われ、一番大切にすべき人を自ら不幸にしていることにも気付けない剣心と
そんな彼の罪を背負い、共に堕ちることさえ望んでいるような薫の、不幸な末路にしか見えません。

剣心があの時薫と出会わず流浪人を続けていたら、剣を振るえなくなった後の人生も
苦しんでいる人々を救うため奔走し、結果として病に冒され・・・という結末も十分想像できます。
しかしこの物語は剣心と薫の出会いが全ての始まりであり、そこを起点とする多くの出会いが、
マイナスに働いていたそれぞれの人生を、プラスに変えていったと私は思います。
そして剣心にとってのその最たる存在は薫であり、彼女の笑顔です。
人斬り時代の罪の象徴とも言える前妻・巴の記憶は、十字傷と共に生涯残ったとしても
薫と共に今を生きることを選んだ時から、剣心も未来に向けて歩き出しているはず。
監督の言葉通り「人を殺した罪に対する贖罪はありえない」、だからこそ本当の剣心は、
過去に囚われた自己犠牲のような生き方ではなく、もっと別の行き方を生涯かけて
模索していくのだと思うし、その未来が明るいものだと信じているからこそ、薫と
共に歩くことを選んだのではないでしょうか？
原作でのラストシーンのその後は誰にもわかりませんが、原作者の和月先生の言う
“笑顔”と“ハッピーエンド”を信じたいので、本作は同人誌のようなものと解釈しています。

批判意見も一理ですがそもそも追憶編のシリアスな空気と合わせて格闘忍者が技の名前を叫んだり内通者が斬られた際に燃えたりしない時点でリアル志向の別ものだと理解するべきでしょう 曲がりなりにも人斬りという人生を歩んだ以上幸せな家庭を築いてハッピーエンドなんてそれこそご都合主義だとは思わないだろうか? 私は原作よりこちらを指示しますね

明らかに原作を超えたひとつの独立した作品。この星霜編はガキにはわからない深い作品。
あの安っぽいテレビアニメ版とは違い本物のドラマ、芝居を見せてくれた。「刀の重さ」が
伝わる描写は秀逸だね。必殺技叫んだりしないし(笑) 人物も、むしろいかにも漫画チックな
和月氏の原作の絵より剣心の作品のテーマにあっている大人びた絵だと思う。そう思えるのは
まさに大人の証だろうな。エヴァとか引き合いに出してる奴も居て笑えたが、むしろパト2だ
ろう。変化という意味では

剣心と薫の公式ラブシーンが見れる唯一の動画です。 剣薫ファンならささやかだけど貴重なそのシーンを何度も見てしまうと思います。 ただし、剣心が非常に老けててショックでした(比古師匠は変わらないのに;) ラストは哀しいけれど、私は勝手に「実は寝てただけで、左之の"虎"が効いて、二人共助かり、左之も戻って恵さんとくっつく」とか勝手に続編を想像(妄想?)してます…。
※特別版には「愛しさの糧」が入っていないのがかなり残念。あと、プロポーズが薫からだったのがショックでした。剣路との親子3人ショットが追加されてました。

「るろうに剣心」は原作・アニメとも当時から大好きでした。
最近、アニメを１話から見返していたんですが、追憶編・星霜編だけはまだ見たことが
ないことを思い出し、遅くなりましたが視聴しました。

これは・・・とにかく素晴らしかったです。こんなに良いＯＶＡはほとんど無い。
確かに賛否両論な作品には違いないです。キャラデザはともかく、内容は暗く原作とはかけ離れている。
それでも私は、この星霜編が「るろ剣」のひとつの結末だったと納得できます。
このＯＶＡは、るろ剣の一つの終わりの形だったと思っています。
（終盤は号泣しながら視聴していました・・・良すぎる）
ちなみに私は、星霜編は好きですが、るろ剣のラストは原作のハッピーエンドの方だと思っています。
ＯＶＡも原作も、どちらも私にとっては納得できる終わり方だった、ということです。

るろ剣は好きだったけどまだＯＶＡを見ていないという方、まだ遅くないです。
是非、この作品を見てみてください。