クラウスが知りたがった「この空で起こっていること」、それは不条理な支配とその再生、そこではかつてシルバーナが象徴していた自由な空は影をひそめて、ギルドはただ無彩色の安寧を天上にくり広げてゆく。
不条理は少年の心を殺して、彼女のいう「素晴らしい」現実に抗うクラウスの渾身の叫びも、かえって悲痛な断末魔のように響く。物語は終盤に向かってテンションを上げて行く。