「部分が全を成す」
ブギーポップシリーズの特徴と魅力にあふれた作品です。
謎解きのエンターテイメント性と骨太なドラマが両立していて
大変見ごたえがあります。

テーマは暗いものですが人によってはそれでもちゃんと向き合わないといけない
重要なテーマだと思います。少なくとも私は全話をとおして共感できたし
心の整理も若干できたかな？と思います。

7、8年ぶりにブギーポップに触れましたが再び原作を読み返すとまた何か違った見方が
できそうなのが楽しみです。

あと、原作ではいまいち実感のなかった「マイスタージンガーとともに登場」に魅了されました。
かっこいいです！

　はっきりいって、このシリーズは「暗い」。
しかし将来に希望を持てない現在においては、いたずらに希望を語ってもかえって無意味なのかもしれない。
逆に絶望を描くことで、ささやかな希望を見いだすことができるのでは？
ちょうど、英国病といわれたイギリスで、反社会的な「パンク・ロック」や厭世的な「プログレシヴ・ロック」がヒットしたように。

　このシリーズも、そんな時代が生んだ作品なのかもしれない。

　できれば、全巻そろえた方がいい。