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鎖された海峡

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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今ひとつ ★★★☆☆
イベリアシリーズ第5弾。今回どちらかといえば北都は脇役で、むしろヴァジニアの方が
主役といった感じ。ノルマンディー上陸作戦を巡っての激しい謀略戦…を期待していた
のだが、実際に読んでみると、イギリス情報局内の事情説明にページが割かれ過ぎている
感じがして、スペインやドイツでのエピソードが付け足しのような印象を受けた。

何しろ上陸作戦が行われているのは遥か遠方のフランスだし、スペインやイギリスにいる
主人公たちと絡めて書くのはかなり無理があるような気がする(これは前作についてもい
える事なんだけど)。そこで主人公たちを近くに放り込もうとするのだが、これがまた妙
に作為めいていて違和感を感じた。

主人公たちも皆お馴染みのメンバーで、行動に意外性が無いし、新しく登場してくる人物も
そんなに重要な役割を持っていない。

つまり、全体的にバランスが悪いのだ。

このため、活躍して欲しい人物がストーリーに埋没してしまっているような感じがする。
ラスト近くで物語が動くが、ページが足らず既に遅し。バタバタと重要人物が急に出て
きては慌しく退場していってしまう…そして後味の悪いラスト…個人的に逢坂さんの作品が
大好きなだけに残念。次作では多分ヴァルキューレ作戦辺りを扱うと思うので期待したい。