内容は、「給料の高い仕事を選びなさい」「スタッフ部門は避けよライン部門につけ」「目立ちなさい“実行あるのみ”です」「書類ではなく製品を生み出しなさい」といった言葉が並ぶ。これだけ読むと、よくある精神論と同じではないか、と勘繰りたくなる。確かに精神論に終始している項目もなくはないが、いま何をすべきか、行動レベルまで掘り下げているところはなかなかおもしろい。たとえば、「自分の上司だけでなく、その上役ももり立てなさい」という項目では、その達成の行動として「彼らへの報告を怠らない」「上司の視点で仕事を見るようにする」などが挙げられている。
また、著者がどの程度意図していたかはわからないが、冒頭は一般社員向け、読み進めるごとに幹部クラス向けの内容になっていく。立場を超えて読める本であり、CEOになるためというよりは、いま自分の立場ではどんな気持ちで仕事を取り組むべきか、上司や部下との関係をどう考えるべきかといったビジネスパーソンのルールとして読むほうが、納得感が高いだろう。原題は『How to Become Ceo』。(入倉由理子)