一年が過ぎてもメギーは『魔法の声』のことを考えない日はありませんでした。その本の登場人物が実際の世界に現れたのですから。一方、文字から生まれ出た、火を食うダスティフィンガーは、物語の世界に戻りたくてしかたがありませんでした。ある日、彼を戻してくれる能力を持つ変わり者の読み手を見つけると、若い召使いファリドを残して過去の中世の世界に飛び込んだのです。取り乱したファリドはメギーを探しにいきます。そしてすぐに、二人とも本の中に入り込んでしまいます。しかし物語は、彼らがいままで想像したこともないような方法で話を進めるぞと脅しています。