ネガティブに目立つよりも、たとえあっちこっちにぶつかってもポジティブに生きて目立つ方がいい。明確な目標を持ち攻撃的に生きることが幸せだ。夢に向かってエキサイティングに行動していれば、金は自然についてくる。客観的に自己肯定することから本当の人生が始まる。岐路に際して自分自身を再定義することが大切だ。減点主義による他人の評価に一喜一憂するよりも、自分で自分に加点評価することで本当の厳しさが培われる。妥協できない最後の一線として自分のスタイルを保つべきだ…。このように本書が示す提言の多くは、よくある人生訓なのだが、著者のアクティビティー(活動性)に裏打ちされた真摯で直截(ちょくせつ)な語り口が、強引とも言える説得力を醸し出している。21世紀を生き抜くには、誰にも頼らない個人の意志と力が大切になるという考え方が通底している。
最近は人生の教訓家としても目立つ著者であるが、国際ジャーナリストとして世界中を飛び回ってきた経験が、自助努力の人生哲学と実践論に輝きを与えている。(松木晃一)