本作の成功は、ダブ・レゲエの伝説的なプロデューサーであるエイドリアン・シャーウッドをチーフ・リミキサーに迎えたことによるところが大きい。シャーウッドはオリジナル・トラックに大いに敬意を払いつつも、彼ならではのセンスをプロダクションに加えている。その結果として生まれたダブ――ベースをふんだんに用いながら、複数の要素を織り混ぜた雄大なトラック――は、この5年から10年のあいだにシャーウッドが生みだしたどんなトラックにも劣らないすばらしいものだ。「Kowalski」「Burning Wheel」「Trainspotting」といったトラックは、オリジナル・トラックのダブの音風景を用いながら、すばらしいサウンド・エフェクトで手厳しい批評を加えている。そして、少々耳障りなところがあるものの、全体的な出来としては驚くほどすばらしく、ときおり爽快感さえ感じさせる。
本作は、優れたリミックス・アルバムの1枚であり、マッシヴ・アタックのダブリミックス盤『No Protection』に匹敵する。(Matt Anniss, Amazon.co.uk)