Miami Vice
価格: ¥474
映画それ自身と同じように、マイアミ・ヴァイスのサウンドトラックは、1980年代のTVシリーズのレトロめいたカヴァーではない。もちろん、In the Air Tonightで始まるにしろ、これは、あのニュー・メタルバンド、Nonpointの2004年のアルバムRecoilに収録されていたものを使っている。ディレクターであるマイケル・マンの巧妙な修正者的美意識が、今回のアルバムでも、2つの方向でよく現れている。まずは、ダンスフロア乗りの曲で、One of These Mornings(モービーとパティ・ラベルの共演)とか、ニナ・シモンのSinnermanを、Felix da Housecatがハウス・リミックスしたものとかがそうだ。もう一つは、もうちょっと、雰囲気のある方向で、例えばScottish band Mogwai による2,3のインストゥルメンタルとか、マンが最も得意とする、steel-blueな雰囲気の最後の4曲(特に、John MurphyのMercado NuevaとKlaus Badelt & Mark BatsonのA-500)などもそうだ。おかしな気分になるのは、ローカルな感じの曲が見当たらないこと。ラテン乗りの曲といったら、, アランカとエミリオ・エステファンの2曲しかない。マイアミをベースにした曲を少なくとも1曲くらいはとは思うが、このサウンドトラックにはないようだ。マイアミ・ヴァイスに相変わらず80年代の面影とパステルカラーのトーンを求めている向きには、Grand Theft Auto: Vice Cityのサウンドトラックをお薦めする。これはビデオ・ゲームなのだが、今回の映画よりずっとTVシリーズの精神に忠実につくってある。