Sound and Motion 1 [DVD] [Import]
価格: ¥1,573
この胸躍るエレクトロニカ・ビデオ・コンピレーション集も、いずれはレイヴァーが過去を懐かしむためのものになるのだろう。しかし、ドライヴ感あふれるドラムン・ベースのグルーヴに支えられた全16曲のクラブ・ヒットは、時代を経ても決して古臭くならない。これは単なる聴くための音楽、繰り返し見まくるためのビデオではないのだ。そう、血となり肉となって、しまいには意識変容を引き起こしてしまう、そんなDVDなのである。そういう境地まで行きたいかどうかなんて、もはや関係ない。それに、何でもありのパーティーの記念品みたいな本作を見てハイになるには、アルコールもドラッグも必要ない。大型モニターと高性能のドルビー5.1chシステムを用意して、ボリュームを“11”まで上げることだ。この『Sound & Motion Vol. 01』は、みみっちい視聴者を対象としてはいないから。
中身が玉石混合なのは致し方ない。本当に記憶に残るビデオは、せいぜい2、3本。エレクトロニカ・シーンにありがちな、ひどく沈滞した感じのトラックもある。それでもハイライトは雰囲気たっぷりだし、低調なトラックだって本当にダメなわけでは決してない。最優秀はトラック1、2のケミカル・ブラザーズとファットボーイ・スリムだ。理屈抜きでノリまくるなら、ゴールディーとザ・クリスタル・メソッドもいい。プロディジーは衝撃的なヴィジュアル&ヴァイオレンスで脳髄を直撃する。これらとバランスを取るかのように比較的穏やかなトラックも用意されていて、中でもタルヴィン・シンによるインド的なグルーヴは特筆もの。ディーゼルボーイのビデオは視覚と聴覚のアブストラクトな連携の好例だし、スライ&ロビーの「Superthruster」はSFアニメのファンなら必見だ。監督の名前が画面上に表示されないのは残念だが、大した問題ではなかろう。リラックスして“全曲演奏”のボタンを押せば、めくるめくオーディオ体験が待っている。(Jeff Shannon, Amazon.com)