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ワールドワイド・アンダーグランド

価格: ¥2,079
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル インターナショナル
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   ニュー・ソウルのパイオニア、エリカ・バドゥにとって3作目のスタジオ・アルバムとなる『Worldwide Underground』。ジャズ風の洗練された官能性と異色の天才性を兼ね備えた作品だ。間違いなく、バドゥは独創的なアーティストだった(今もそうだが)。1997年のデビュー・アルバム『Baduizm』はソウル、ジャズ、ルーツィーなヒップ・ホップを意外な手法で風味豊かに融合させ、ローリン・ヒル、ジル・スコット、インディア・アリー、メイシー・グレイ、アリシア・キーズらが台頭する基盤を築いたのである。

   ところが『Worldwide Underground』では、前作『Mama's Gun』と同様に、バドゥの開拓者精神が裏目に出てしまっている。華麗な「I Want You」は、その端的な例だろう。拍子抜けするぐらいに単純素朴な楽想が、とんでもなくセクシーなグルーヴへと変化する。本作のハイライトといえそうな幻惑的な展開だ。ところがどうしたことか、音楽はその後、奇っ怪で刺々しいシンセ・リフとジャズ/フュージョン的なとりとめのない即興演奏になだれ込んでしまう。そして冴えを取り戻したかと思えば、支離滅裂な混乱状態に逆戻りする。魅力、アイデア、効果的なプロデュース術は随所でたっぷりと確認できるのだが、リスナーを退屈させまいとするあまり、収拾のつかないカオス状態に突入してしまうきらいがあるのだ。

   とはいえ、「Bump It Up」や「Danger」の催眠術のようなメロディー、「Woo」の思わず体が動いてしまうノリのよさ、「Think Twice」や「Back in the Day」のような抱擁力のあるソウル・チューンのつるべ打ちは圧倒的だ。バドゥにはまだ聴く者を魅了する力が残っている。たとえ彼女が頑張りすぎてしまったとしてもだ。(Dan Gennoe, Amazon.co.uk)