エアポート’80 [DVD]
価格: ¥1,410
ユニバーサルの名物シリーズも4作目を数えた。前作「エアポート'77/バミューダからの脱出」の反省からか、今度は当時最新鋭の超音速旅客機コンコルドを舞台に、フランスからアラン・ドロン、シルヴィア・クリステルの2大スターを招き、内容的にも軍事企業がミサイルでコンコルドをねらい撃ちするなど、派手な見せ場を増やしている。特筆すべきはシリーズ唯一の常連ジョー・パトローニ(ジョージ・ケネディ)が、初めて主役級の扱いで登場。ドロンのフランス人機長と共に活躍を見せるあたりは、シリーズのファンにはうれしい限り。
デビッド・ローウェル・リッチ監督の演出は、前半をコンコルドVSミサイルの攻防戦、後半にはコンコルドに仕掛けられた装置のせいで機体が分離するといったパニック・シチュエーションを設けており、危機また危機のサスペンスを巧みに盛り上げてみせる。その一方で、これまでお助け人としか扱われていなかったパトローニの過去や人間性に触れるくだりも描かれている。オールスター・キャストが売り物の「エアポート」シリーズだが、シリーズ最終作となった本作では、総花的な顔見せ芝居ではない丁寧なキャラクター描写とサスペンスが相互に作用して盛り上がりを見せたのは、ある意味皮肉かもしれない。(斉藤守彦)