なんとなく不気味な雰囲気が良いです。
★★★☆☆
ジャケット写真にあるドロンの深刻そうな表情から、サナトリウムに潜む陰謀が暗くシリアスに描かれていくのかと思っていたらちょっと違う。ドヴィレール医師に扮したドロンは、なにかあっけらかんとした無邪気な感じで、海岸で服を脱いで走り出すところ(脱ぐときはカメラ目線のようにも見える)やベッドシ−ンでの嬉しそうな表情といったらない。自家用機を操縦するところとか実に楽しそうで、ちょっと思想めいたことが語られたりするが、裏で恐ろしいことをやっているという自覚はあまりなさそうである。そこがかえって不気味でドロンの美貌とあいまってぞっとするような怖さを醸している。若さを求めて治療にきた金持ちたちが全裸で海岸やサウナではしゃいだり、プールサイドで日光浴をするところ(ここは水着です)などはちょっと退廃的な感じで気味が悪い(海藻メニューも気持ち悪そう)。白い建物の窓からポルトガル人の青年が仰向けになっているショットや、打楽器を鳴らしたアフリカンっぽい(?)音楽など全体的にシュールで独特な雰囲気がある。そこがこの映画の魅力であり、単なるB級ホラーとは違っているところかと思う。でもやっぱりアラン・ドロンとアニー・ジラルド(好演!)というスターが主演しているのが一番かな!!キャサリン・ロスが主演した「ステップフォードの妻たち」なんかが好きな人にはお薦めかもしれません。
ドロンのヌードは遠景だけかと思っていたら、ブラブラと・・・あんなに見せなくてもいいのに(ついそこに目がいってしまう)。ヘアでさえ完全に隠されていた当時としては、相当なショックだったでしょうね。といっても日本では映倫の人しか目にしてないはずなので、こんなに映っていたなんて!!と今ショックを受ける次第です。アニー・ジラルドのヌードも嬉しい?。画質は驚くほど良いというわけではありませんが、良好。スチール写真で構成された予告編がカッコイイ。今観るとストーリーのショック度が薄いので星3つとしましたが、ちょっと好きな作品です。