ストレンジャー・コール [DVD]
価格: ¥1,380
『ストレンジャー・コール』のリメイク(オリジナルの邦題は『夕暮れにベルが鳴る』)で何と言っても賢いことは、オリジナルの1979年版から本質以外のものを引きはがし、嵐の一夜の恐怖を味あう原始的な体験としたことだ。脚本のジェイク・ウォード・ウォールはオリジナルのサスペンスに満ちた部分を87分間の気を持たせる駆け引きに押し広げる一方で、携帯電話、ホームセキュリティ・サービスといったいくつかの気の利いた現代的要素も加えている。また、広々とした現代の家の迷路のような危険も、キュートな10代の少女ジル(カミーラ・ベル。オリジナルでキャロル・ケインが演じた役)が生涯後悔することになるベビーシッターのアルバイトをする際、無差別級暴力の舞台として使用されている。雇い主が家と呼ぶ広大で高級なガラスの宮殿で(ジョン・ゲイリー・スティールによる見事な設計のセット)、何者かがジルをつけまわす。電話の不気味な声が(世にも恐ろしい声の達人、ランス・ヘンリクセン)が、ジルが面倒をみることになっている怯えたふたりの子供たちの手をつかみ、とにかく急いで家を去るべきだという最初のヒントであるはずだった。だが、台本と懲りすぎた音楽とサイモン・ウェスト(『コン・エアー』、『トゥーム・レイダー』)の刺激のない指示は、哀れなジルは地獄からやってきたハロウィーンのような夜を味わえと主張し、不吉なことが起こる前触れとして黒猫まで登場させる。ほのめかしを通じて恐怖を生み出そうとする点(人殺しと思われるストーカーを極力スクリーンに登場させない)はウォールとウェストを褒めるべきだが、現実を直視しよう。オリジナルの映画はこのジャンルの定番とは言えず(テレビ映画の続編、『新・夕暮れにベルが鳴る』のほうがずっとよかった)、このリメイクは少々間延びしている。おそらく、ジルは単純に電話のプラグを抜けばよかったのだ。(Jeff Shannon, Amazon.com)