新時代のオルガン・ファンク・バンド、ソウライヴの2002年秋全米ツアーの模様を収録した作品。なんでもこのツアーは35回もの公演を行なったそうで、ここにはそこから厳選したベスト・トラックがおさめられている。ブルーノートでの第3作。前作に参加していたアルト・サックスのサム・キニンジャーは不参加で、編成はアランとニールのエヴァンス兄弟にエリック・クラズノーを加えたオリジナル・トリオ。なんといっても、このバンドの魅力である強烈なグルーヴ感が快感で、まさしく、グルーヴに酔わされる演奏の連続だ。曲は新曲4曲を含むオリジナルが中心だが、ほかにスティ－ヴィー・レイ・ヴォ－ンのバラ－ド<8>をカヴァーしているのが聴きもの。この曲ではエリック・クラズノーがギターでしっかりと泣かせてくれる。ソウライヴのようなジャム・バンドは、基本的にスタジオよりも聴衆の前で演奏するライヴで真価を発揮する。そういう意味からいってもこれは、メンバーにとってもファンにとってもまさに待望のライヴ盤だといえる。（市川正二）