若干14歳にして、ステイシー・オリコは自分の世代に影響を及ぼせるだけの歌声を身につけている。彼女のデビュー・アルバムである本作『Stacie Orrico』は、輝かしい歌声をお披露目するだけではなく、彼女の世代が好む巧妙なアーバン・ポップのクールさをまき散らす作品だ。とあるクリスチャン・アーティストのセミナーでスカウトされたステイシーは、12歳でフォアフロント・レコードと契約。それ以降は音楽産業のトップたちと仕事を共にし、キャリアを築いてきた。本作の収録曲は、ステイシーと同じような若いリスナーたちに対し、キリスト教徒の生き方というテーマを率直に、また現実的に投げかけている。その都会的なセンスは、メインストリームのラジオとも相性がよさそうだ。ブリトニー・スピアーズらと激しい売り上げ合戦を演じている、グルーヴの効いたファースト・シングル「Don't Look at Me」は、キリストこそが完全さと美徳を体現する唯一の存在なのだと示唆している。今日的なアーバン・ポップに神の真理を取り入れるという発想が爽快だ。（Israel Button, Amazon.com）