画面の前から離れられなくなること、間違いありません
★★★★☆
高度なデジタル編集テクが登場するまで永らく、ポリスの「シンクロニシティコンサート」とトーキングヘッズの「ストップメイキングセンス」の両作品がミュージックビデオの金字塔とされてきましたが、本作、完成度として「シンクロニシティコンサート」を超えています。(まあ当然といえば当然でしょうが・・・)
ライブパフォーマンスは年齢相応(?)にシンプルになっていますが、演奏は凄みを増す一方で安定もしていて、巧くてビックリします。バンドを鼓舞し続けるスチュワートコープランドのダイナモのようなキレの良いドラムス(カッコいい!)、スタジオレコーディングかと疑うほどピッチや声量の安定したスティングの歌(複雑なポリリズムのベースラインを弾きながらですよ!)、ボイシングやフレージングに安定感を増したアンディサマーズのギターワーク、抑制が利きしかもホットなサウンドで巨大スタジアムを隅々までたった3人!で揺り動かす様には驚きです。
若かりし頃のエッジエンハンスでパワー溢れるトンがった演奏ではなく、スティングはほとんど指弾きだし、アンディは(テレキャスターでなく)ストラトのハーフポジションを多用するなど、以前に比べると楽曲へのアプローチやフレージングもかなり変っていて、シーケンサーなどサポート機材の音もほとんど無く、ホント、研ぎ澄まされたアレンジなっています。「シンクロニシティ2」などステージ再現に手を焼いていた(?)曲も、ああ、なるほどなぁ、こうきたか、と感心するほどスンナリこなしています。
ポリスファンであれば、感心すること半分、金縛りにあって身動き出来なくなること半分、つまり画面の前から離れられなくなること、間違いありません。
「クオリティの高さ」が予定調和になる逆説
★★★★☆
意外にこのDVDのレビュー数が少ないのは、みんな「良いこと」が分かりきってるので、今更言葉で付け加えることが無いからなんだろうな。というわけで、音や映像の素晴らしさに関する批評は削って、そのワキの個人的感想を以下に記します。
スチュワートは昔と同じように銅鑼を叩いていた。アンディは下手だけどお茶目だった(笑)。そしてスティングはやっぱり格好良い。三人仲良さそうなのも和む。
そりゃあ懐古趣味の企画でしかないんだけど、ライブで演るにあたっての何気ないアレンジにもポリスの音楽のオリジナリティとセンスが溢れている。全体的に3ピース・バンドのシンプルなロックに纏めたのも正解だろう。
曲は何十年も散々聴いた馴染み深いものだしクオリティも素晴らしいのは予想がつくので、逆に今更感や意外性の無さを感じて、手に取るのが遅れていた私。「特別再結成ライブ」としてのこの非の打ち所のない予定調和振りが新鮮味を欠くため星一つ削ったけど、僕みたいな不真面目なファンは案外多いと思う。でも、やっぱり見てみると当たり前なんだけど良いのですよね。
迷わず買ってください!!!
★★★★☆
京セラドームの来日公演を見ましたが、さすがブエノスアイレス!盛り上がり方が尋常じゃない。
映像も凄くキレイで楽しめますが、音は音質重視かライン撮りであまりライブ感が伝わりにくく星は4つです。ただアンディのミスもスティングの声が出ないのも無理な修正がされておらず、この点はうれしいです。
ライブではポジション的にステュワートが見ずらく悲しい思いをしましたが、DVDであらためて見直すと彼の凄さが良くわかります。
とにかくポリスの再結成、おそらく二度とは見られないでしょう、即買いです!!!