特にデビーの歌の巧さは昔とは雲泥の差。人生経験もキャリアも積み、一皮も二皮も剥けている。以前の曲の何でもないフレーズが今のデビーが歌うと深みも凄みも味わいも、色香さえもが格段に増して、ステージ上でのパフォーマンスは歌うカトリーヌドヌーブかミシェルファイファーか。ふと見せる表情にハッとするほどの美しさと気品とロック魂が同居する大人の女性・・・なんとも魅力的な人だ。
女優としてのキャリアも確実に積み上げてきた彼女ならではの貫禄のステージが息もつかせず展開し、バンドのメンバーもドラムのクレム・バークは言うに及ばず、全員が円熟のパフォーマンスを見せる。いまだに年間数カ月のワールドツアーを行っているバリバリのライブバンドだ。ブロンディーは今こそが旬だと思わせる素晴らしい歌いっぷりと演奏。オーディエンス大ノリ、私も完全に参りました。
しかし、デビーを見ると幸せになるのはなぜ? ワシだけ? ワシ、デビーにやられたのでしょうか・・・?