フェアウェル・ツアー ライヴ・フロム・メルボルン [DVD]
価格: ¥5,900
すぐれたパフォーマンス、すばらしいサウンド、うまい映像の演出が、30曲をちりばめた2時間半を超える2枚のDVD『Farewell 1 Tour』に収められている。イーグルスが2004年にオーストラリア、メルボルンで行ったコンサートのドキュメンタリーである。ひところはこのベテランバンドはミレニアムまでたどりつけないのではないかと思えたことすらあったが、このDVDでは、ほぼ無傷の形で30年以上前からのヒット曲の数々が聴ける。往年のヒット曲のほとんどが演奏されており、初期の曲(「テイク・イット・イージー」「ならず者」「ピースフル・イージー・フィーリング」)から「ホテル・カリフォルニア」「駆け足の人生」そして「ラヴ・ウィル・キープ・アス・アライヴ」(スタジオ録音の新曲も含む最新アルバム『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』に収録されている)にいたるイーグルスのナンバーと、グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュのソロのナンバーが数曲の新曲とともに披露されている。ウォルシュの「One Day at a Time」(新たに彼が見せた礼節へのひたむきな抒情詩である)、9・11テロに触発されたナンバー「Hole in the World」ではフライとヘンリーが感動的で、ゴスペルを思わせる演奏をみせる。2001年にとげとげしくバンドと袂を分かったギタリスト、ドン・フェルダーの不在もあまり気にならず、代わりにスチュアート・スミスがフィルダーのパートを演奏し、フィルダー在籍当時のレコーディングとほぼ同じに演奏している(事実、彼らの曲のスタジオ収録版を元の状態のまま再現したものはこれまでも常にイーグルスのライヴの目玉である)。どこかずうずうしいタイトルに関していえば、いつもながらイーグルスのユーモアのセンスに気取った感じが加味されており、フライにいたっては『Farewell 2 Tour』はないというそぶりさえ見せない。確かにないとは限らない。すばらしい歌と、4人組(とサポートメンバー)による美しい演奏はイーグルスの曲を愛する聴衆に捧げられている。ボーナストラックはメンバーへの形式的なインタビューのみである。(Sam Graham, Amazon.com)