ラスベガス万才 没後30周年メモリアル・エディション [DVD]
価格： ￥3,980
カテゴリ： DVD
ブランド： ワーナー・ホーム・ビデオ
数あるエルビス・プレスリー映画の中でも、ミュージカル色が最も強く出ている娯楽作品。これには、監督に「ショーボート」など多数の名作ミュージカルを演出してきたベテランのジョージ・シドニーが抜てきされていることも、多分に影響しているのだろう。
レーサーのラッキーは、ラスベガスで行われるレースに出るため、ギャンブルで一儲けして新型モーターを購入しようと企むが、やがて美女ラスティをめぐってイタリアのスピード王と恋のさや当てを始めていく。プレスリーは「ヴィヴァ・ラスベガス」など劇中9曲を歌い、演技にも磨きをかけてくれた。ヒロインのアン・マーグレットももちろん歌い踊り、うるわしき若き日の魅力を大いに発散してくれている。（的田也寸志）
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★★★★★
エルビスの主演映画は、本人も認めている通り駄作が多い。しかし、本作は違う。映画のなかにはマジックがかかったような奇跡の作品が存在するが、これはその一本である。テーマソングはすっかりラスベガスの歌として定着し、ストリップのあちこちでサビの部分が流れている。今は不可能なダウンタウンの空撮から始まるオープニングから、まだ未開発のストリップでの色恋話にアッという間に引き込まれる。エルビスとアン・マーガレットとのコンビも最高。フラミンゴやトロピカーナという今でも現役のカジノから、スターダストのようになくなってしまった老舗カジノまで、まさに当時のラスベガスのプロモ状態。しかし、全くそう感じさせないのは、エルビスの存在感がラスベガスを超えているからだ。チェビー・チェイスのベガスバケーションなんて、スティーブ・ウィンのホテルご案内ビデオだった。チェビー・チェイスでは全く役不足だということ。エルビスはこのあと、現在のヒルトンをホームステージにして、名実ともにラスベガスの顔になっていく。今見ても十分楽しい傑作である