アリーナを埋め尽くしたファンは、68分に及ぶコンサートを存分に楽しんだ。2003年5月、ニューヨーク州バッファローに、ポップ界に旋風を巻き起こした18歳の歌姫、アヴリル・ラヴィーンが登場した。彼女のCD『レット・ゴー』は、25歳以上のリスナーにまでは届かなかったかもしれないが、スケーターの若者の心をがっちりつかみ、何百万もの人々のお気に入りとなった。彼女の初めてのDVDとなる本作品も同じく社会現象となるだろう。
   アヴリル・ラヴィーンの声は、時に調子外れなこともある。ソングライティングの方はといえば、レノン＆マッカーシーはもとより、ゴーゴーズにも及ばないかもしれない。しかし、彼女には確かに才能があるし、その身にまとう雰囲気は特出している。MTVスタイルといえばそれまでだが、魅力を放っているのは否定できない。ラウドでエッジの効いたギターとコーラスの美しい楽曲がうまくかみ合っている。6曲入りのCDを含め、特典も盛りだくさん。ファンを満足させる仕掛けがいっぱいだ。思う存分、ロック・ショーを楽しんでほしい。（Sam Graham, Amazon.com）