大ヒットした『All Killer No Filler』は、本作のリリースからわずか2か月後にレコーディングされた。この2枚が似ていると言うのは、控え目な言い方だが決して悪口ではない。SUM 41は、ブリンク182がたまに(もちろん下品な冗談とともに)生み出す抜け目なさには欠けるが、そこをキャッチーなリフとすてきなメロディーに乗せた思春期前の白人少年ラップで補っていて、オフスプリングの「Pretty Fly (For A White Guy)」と同じ狙いを感じさせる。
「Makes No Difference」は「Fat Lip」に匹敵するほどの出来栄えで、さわやかな「Summer」は、他のトラックの手が届かないところまでアドレナリンを放出している(それにキャッチーなメロディラインは、成功するトラックに不可欠である)。
SUM 41の無軌道ぶりはアッシュの『1977』を思い出させる(似たようなフォトアルバム風のブックレットもある)。けれども、アッシュのティム・ウィーラーが「Girl From Mars」を書いたのに対し、ビジーは「Dave's Possessed Hair」の歌詞で「非暴力を唱える代わりに拳を振るんだ」と書いていて、よく似てはいるがあと一歩及んでいない。郊外に住む中流ホワイトカラーの社会における典型的な不幸を歌った本作には、たった15分間でも30分のパワーが詰まっている。
SUM 41はこれまでに十分すぎるほどの成果を上げてきた。だが、さらなる進化を遂げ、この退屈なジャンルを卒業してグリーン・デイのような名曲を書く才能(あるいは意欲)がこのバンドにあるかどうか見極めるのは難しい。けれども、SUM 41はできるだけ長く思いきり楽しもうと思っているようだし、ご覧のとおり、彼らにとってそれが一番大事なことなのだ。(Ben Johncock, Amazon.co.uk)