しばしばパートナーとなるヨー・ヨー・マと同じように、ピアニストのエマニュエル・アックスもアストル・ピアソラのタンゴに夢中になっている。アックスは、長いことピアソラ楽団のメンバーだったピアニストのパブロ・シーグレルを捜し出し、彼と一緒にこれらの編曲を行い、演奏している。アックスは生来の音楽的センスと教師としてのシーグレルに導かれて、「新しいタンゴ」の世界に真剣な気持ちで入っていった。これらの演奏はリズムと音色に対する申し分のない感覚をもって行われている。2台のピアノを使ったピアソラのアルバムが欲しくなるかどうか、それはまた別の問題である。わたしとしては、ピアソラ自身がレコーディングしたものをまずおすすめする。ピアノ・タンゴを別にすれば、このアルバムは全体として成功している。(Leslie Gerber, Amazon.com)