本当は若者にこそ聞いてほしい
★★★★★
ギドンのピアソラアルバムは、ヴァイオリンのボウが日本刀に感じられる一瞬がある。
本アルバムにもやはりあった。
トラック7、天使の協奏曲、第一楽章中間、サビの入り(カデンッア、というのですか協奏曲では)
長く長く伸びる、叫びのような音は、
若者が、長いトンネル内をバイクで命がけの最高速度に挑戦するかのよう。
スリル、危険、快楽、喜び、若者のあこがれる心情がここにあります。
クレーメルのピアソラもの第4作目
★★★★☆
ピアソラ本人の演奏は、ファンから見ても雑である。テンポはすぐに速くなるし、バンド内部ですぐにずれてしまう。しかし一方、クラシックの演奏家が演奏するピアソラ作品は、完成度は高いもののタンゴの躍動感が失われ、退屈な事が多い。実際、クレーメルの大ヒット作「オマージュ」やその続編は、ピアソラ・ファンからすると生命の輝きを失った退屈なものと映る。 しかし、クレーメルのピアソラ作品集第4作目にあたる本作は、その点が非常に良くなってきている。何よりも激しくダイナミクスのついた思い切り良いクレーメルの弾き方は、ピアソラ本人の演奏では聴けないピアソラ作品の新たな魅力を聴かせてくれる。特に「タンゴ・バレエ」は出色の出来。 この後のクレーメルのピアソラ作品集と比較するとまだ「クレーメルのピアソラ」がこのアルバムの時点では完成していないとは思うが、4作目にして大きな飛躍を見せた見事な一作と思う。
新しいタンゴ
★★★★☆
力強いピアノと迫り来るバイオリンが颯爽とした雰囲気をイメージさせます。タンゴかバレエかイメージをするのも楽しいかと思います。