で、このジョー・ヘンダーソンとのセッションだが、アル・フォスターのドラムスを加えたピアノレス・トリオで、セロニアス・モンクやチャーリー・パーカーの曲、さらにスタンダードなどもやっている。といっても、その演奏はフリー・ジャズ一歩手前といった感じで、インプロヴィゼーション主体の凄まじい形相をみせる。ジョー・ヘンは即興演奏の鬼と化して、サックス一本で世界に立ち向かっているといった感じだ。晩年の滋味あふれる演奏もいいが、こういう具合に猪突猛進するジョー・ヘンも最高に素晴らしい。そしてそれを引き出したヘイデンにも拍手だ。(市川正二)