表現の自由を地で行ったフランク・ザッパだが、音楽評論は建築をテーマに踊るようなものとたとえたことがあった。ならば英国のデュオ、オウテカが一見建築をテーマにした音楽で絶賛されているのも納得といったところか。フワフワとしたビートが脈打ち、幾何学的なリズムと徹底したエレクトロ・サウンドがからみ合うオウテカの音楽は、繊細で荒涼としていながら親しみやすい。本作はドップラー効果のような「C/pach」からリズミカルで刺激的な「Rsdio」と幅広い音楽性が特徴。ライナーノーツは最小限で逆にそれが印象的。「レコード針のノイズがあれば完璧」というリスナーへの但し書きもあるが、デジタル全盛の時代にあって、この作品には彼ら独特のノイズが詰まっている。US盤は既発表シングル2曲「Anvil Vapre」と「Garbage」を追加収録。(Marc Weidenbaum, Amazon.com)