尋常ならざる大富豪の孫娘が刑事になり、的外れなほどにスケール壮大な捕り物劇を繰り広げていくその徹底ぶりが好評を博した前作を、タイトルのままにすべてにおいてデラックス化させたシリーズ第2弾である。
   幻のダイヤをめぐってひき起こされた殺人事件に、生け花の家元継承問題が絡んでくるファーストエピソードから、2話完結のスペシャルバージョンとはいきなりにデラックスな。振り込め詐欺、IT社長の未亡人の魔性、時効寸前の金塊盗難事件、さらにはマジシャン兄弟への脅迫状といった本格ミステリーの香り高い難事件の数々を、奇想天外なアイディアと破格に費やされていく捜査費用によって、ますますキュートな神戸美和子（深田恭子）が飄々と解決していく展開は、いかにすべてがデラックスになろうとも不動の大いなるマンネリズムであるが、そのワンパターンが次々と決まっていく様はちょっとした癖になる気持ちよさである。
   あこぎなやり口で巨万の富を築いた過去に報いるべく、美和子が正義のためにお金を使うことを至上の喜びとしている祖父・喜久右衛門（夏八木勲）の悪魔的なまでのおかし味も、もはや神がかりの域に。いかにも刑事ドラマらしい雰囲気作りに貢献度大の、いかにも刑事らしいキャラクターであるレギュラー陣が再び総出演しているのもうれしい限りだ。物語のクオリティによらず終始ニコニコし続けられるあたり、類まれなほどに幸福なシリーズと言わざるを得ないが、随所に趣味のよさが光っているのも事実である。美和子の定番の決め説教がゾクッとさせる占いがトピックの第4話はとりわけ秀逸。ちなみに今作は、朝日放送とテレビ朝日によって共同制作された初めてのレギュラードラマである。（麻生結一）