ユダヤ人古代史の入門書
★★★★☆
邦題は『旧約聖書の世界』となっているのに、実際の内容は旧約聖書やユダヤ教についての解説ではなく、旧約聖書の族長(アブラハムなど)の時代からキリスト教台頭後までのユダヤ人の歴史なのである。旧約聖書そのものに焦点を当てているわけではないが、豊富の図版に加えてユダヤ人の古代史を要領よくまとめた。ユダヤ人の波乱の歴史を知るための格好の入門書であり、今のパレスチナ問題などを理解するための参考にもなる。また、旧約聖書の話の全体の流れもよく整理されているから、旧約聖書がとっつきにくいなと思って今まで敬遠してきた方にもお薦め。