被害者学という学問を捉えるのにはぴったり!
★★★★☆
『被害者学入門』というタイトルだけあって、被害者学が研究対象とする範囲や、被害者学の捉え方や考え方をつかむにはかなり適したものだと思います。研究成果や調査結果を示すために、文中に%表記がたくさん出てきて、どこがどこが途中わからなかったところもありましたが、何とか確認しながらつかめました。表と解説がもっと合致したページにあればよかったなとは思います。心理や福祉の学習歴のある方で、被害者の心情や置かれている状況等を詳しく知りたい方には物足りないかもしれません。しかし、詐欺やマスコミ被害など、刑法や消費者視点を交えた被害というものにも興味を広げられる点では、一読ありだと思います。この本を読んでから、刑法や少年法、少年犯罪、トラウマなどに関心を広げていってもいいかもしれません。少年犯罪や虐待、DVなど人間関係の中におこるものを解決するには、心理的・福祉的アプローチのみならず、法的な知識や技術などが求められることを強く感じた一冊です。個人的には、横書きより、縦書きがよかったな・・・