Confessions
価格: ¥829
アーティストの自伝的要素を含んでいるとわかれば、そのアルバムへの関心は増すものだ。アッシャーの2001年の『8701』以来となるCD、『Confession』はまさにそのケースにあてはまる。このアトランタのシンガーは過去10年にヒット曲を連発し、PG-13とされる内容でティーン・ポップの方向性を変えるほどだったが、この共同プロデュースを手がけた作品ではその趣向をがらりと変えて、これが“本当の自分”だと言っている。この作品を破局の作品、TLCのロゾンダ・“チリ”・トーマスと正式な別離を受けてのものだと位置づけるのは、安易だろう。より正確にはこれはアッシャーの成長の記録であり、少年から大人への橋渡し的な内容で、チリとの別れで受けた心痛を導き、事実にしろ想像にしろ原因となった出来事を歌ったものだ。だが、罪の意識はともかく、アッシャーが自らの秘密の生活を暴露せざるを得なかった理由はあいまいだ。アッシャーは自分の裏切り、罪、気持ちの上での不日を21曲も収めたこのアルバムにつづっている。意味ありげなR&Bのグルーヴから、端切れのよい「Yeah」まで、力強くはしゃぎまわるリル・ジョンの独断的なビート、そしてリュダクリスのかなり湿っぽい詩が満載だ。(Jaan Uhelszki, Amazon.com)