アイドルとして消費され終わるのか、またアーティストとして活躍するのか。ある時期になると早くにデビューしたシンガーは決断を迫られることになる。アッシャーはアーティストとして活躍することを選んだと言える。この作品はそういう意味で彼の代表作ではないかと思う。全体としては控えめの選曲である。しかし、アップでは当時流行であるチキチキをいち早く取り入れ、YOU MAKE ME WANNA ではミディアム・テンポな哀愁漂うチキチキを展開しグラミー賞にノミネートされるに至った。ロックや他のジャンルにとってのグラミー賞などあまり意味がないと思うが、こと、R&Bについては意義があると見ていい。というのは白人の音楽ほどにコマーシャルされることがないため、グラミー賞自体が大きなコマーシャルになる為だ。そのため彼は若年のアーティストとして一つ浮いた存在となった。また、ダンスのレベルも高く、これからが大いに期待されるアーティストである。実際、8701ではバラードを増やし、シンガーとしての技量を見せつけている。 このアルバムの白眉はMY WAY YOU MAKE ME WANNA であることはもちろんのこと他の曲にも隠れた名曲が多い。是非聴いてほしい。