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The Cement Garden

価格: ¥1,108
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Vintage Books
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知られざる映画化 ★★★★★
内容は他の方達が述べてる通りです。私的には「ライ麦畑でつかまえて」「恐るべき子供達」「コレクター」などの小説の香りがするとおもいました。終わらない夏休み、変わらない子供達の感じ。特に「恐るべき・・・」ですね。
そして実は同作品は映画化されています。日本未公開だったため、センセーショナルなタイトルで購入を促そうとしたらしく「ルナティック・ラブ〜禁断の姉弟〜」という愚にもつかない題名が冠されていますが、隠れた佳作だと思います。私も、たまたま購入したフランス版「ザ・セメント・ガーデン」について調べていて気づきました。レンタル屋には結構置いてあるので、ご覧あれ。ただし!アダルト扱いになっています。フランスを代表する女優シャルロット・ゲンスブール主演ですが、言語は英語。
最高 ★★★★★
 翻訳物で、久しぶりにめちゃくちゃ面白い作品に出逢えた。子供たちだけの楽園と崩壊までを描く傑作。
 文体が精緻でいて、読みやすい。思春期の子供は、どこか狂っていて感情を表に出したくても、出せない。いや、出てしまっているのにひっこめようとする。うーん、深い。近親相姦も、言わば、楽園を強固にする上で一役買い……、もう駄目だ。言葉で説明できるか。
 とにかく読め。
読み出したらやめられない ★★★★★
ブッカー賞作家イアン・マキューアンの中編小説。
デビュー作から暴力、近親相姦、妄執など赤裸々な主題を含み物議を
かもしてきた彼だが、この作品にも死体遺棄や近親相姦など、スキャン
ダラスなテーマが含まれている。
しかしそれがメインとはいえない。中心になるのは、両親を亡くした
4人の子供の世界である。孤児院送りになってバラバラになってしまい
たくない。ただそのために、子供たちは死体遺棄を行うのだ。セメント
で固めて。
以来、きょうだい各自が好きなように生き始める。自室にこもったり、
彼氏と出歩いてばかりだったり、自慰にふけったり・・・そんな、はた
から見ればおかしい家庭に介入しようとする長女の彼氏デレクの存在が、
この閉ざされた世界を崩壊させていく。
一気に読ませる名作。
平易な文章。退廃的な心理劇。 ★★★★☆
この人の作品は初めて読むが、この作品に限って言えば、まず英語がべらぼうにわかり易い。文章が短く、語彙も決して難しいものを駆使しないのだが、作中人物の心理がよく伝わる。風景や登場人物の行動をくどくど描写するようなところはなく、テンポ良く場面が展開してゆく。これは、結局近親相姦や衣装倒錯などを扱ったものだが、かなり退廃的な雰囲気がしており、ちょっとポーを思い出させる。社会の人為的モラルから隔絶した閉じた空間での話であり、エロス的人間の根源的なあり方を描いたもののようだ。行定勲が監督した映画「閉じる日」は、この作品と幾つかの点で類似したところがある。
マキューアンっぽい? ★★★☆☆
 全編を貫いて、どこかあやふやな不確かな浮遊感ともいうべきものが漂っている。それは語り手である思春期の少年に拠るところが大きいが、他の登場人物にしてもどこか現実味を欠いた存在として感じられる。日常を描いているようにみえて、その実、束縛あるいは監視するもののいなくなった子ども達だけの世界という、一種の夢物語めいたユートピアが舞台なので、お伽話のような危機感のない世界が構築されているのだ。
 読み手としては、そこが肩のこらない感じでスラスラと読めてしまう。思春期の屈折した心理描写がうまく、自分の過去とだぶり、懐かしい思いをした。

 ラストで、この現実味を欠いた姉弟は結ばれるのだが、そこには近親相姦という罪の意識や、うしろめたさはなく、あまりにもさらっと描かれている。
 マキューアンらしさがあるようでないような、曖昧な位置づけの作品である。