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Saturday

価格: ¥1,424
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Vintage
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No.1ベストセラーを輩出し、『アムステルダム』でブッカー賞を受賞した巨匠作家が送る、幸福とそれを脅かす見えないものが紙一重であることを描いた驚くべき新作。読み出したらやめられない優れたスリリングな小説は、読者を夢中にするだろう。

『Saturday』は2003年2月のある日を舞台とした巧みな小説だ。ヘンリー・ペロウンは人生に満足している男だ。神経外科医として成功し、新聞社の弁護士と幸せな結婚生活を送り、子どもたちともいい関係にある。この休みの日、ヘンリーはロンドン中心の大きな家で、心地よく目覚める。彼は自宅でも手術室でも、同様にリラックスしている。病院の外の世界では、予測のつかないことも難しいこともある。対イラク戦争が差し迫っているし、2年前のニューヨークとワシントンDCへの攻撃以来、ペシミズムが暗くふくれあがってきている。

他ならぬこの土曜の朝、ペロウンの一日は普通から異常へと様相を変えていく。早朝の空に異常なものを見た後、同僚の麻酔医とスカッシュをプレイするために家を出ると、何千人もの戦争反対のデモ参加者でいっぱいのロンドンの通りを避けようとする。ところが車のちょっとした事故が原因で、チンピラに直面することになる。医者であるペロウンの目に、この若い男はどこかすごく様子がおかしいように見えるが、男の方は外科医に恥をかかされたと思い込んでいる。これがもとで、ペロウンは全力を尽くして家族を守る事態に陥っていく。
揺れ続ける人間の心象を描いた作品 ★★★★★

主人公のヘンリーは40代後半の成功した神経外科医だ。愛する妻は弁護士で、二人の子供は芸術的才能に恵まれており、娘は詩人で息子はギタリストとして成功しており、社会的にも私生活においても実に恵まれた生活を過ごしている。

そんな彼がある土曜日の早朝に目が覚めて、エンジンから火を噴いた飛行機がロンドンの上空を飛ぶの目撃するところから物語は始まり、その土曜日の一日の出来事が描かれる。たった一日ではあるが、その中で妻との出会いまで遡る夫婦の歴史、子供や義父との関係、痴呆になった実母と過ごす時間と、ヘンリーの心情がきめ細かく描かれる。そして、終盤ではヘンリーが日中に起こした交通事故を契機に急速なクライマックスを迎えることになる。

本書のテーマは「不安定」ではないだろうか。ヘンリーは現在の生活に満足しているにも拘らず、早朝に目覚めた時から漠然とした居心地の悪さを感じている。それは初老にさしかかろうとしている自分の年齢による部分もあるが、成長して離れて行く子供や、老いていく親達と関わりの中で現在が満ち足りた状況が決して安定的なものではなく、今まさに移ろいつつあることを感じているからだと思う。その不安定さが端的に現れたのが終盤のクライマックスだと思う。
土曜日の朝はもう少しゆっくりした方が・・・・・ ★★★☆☆
相変わらず繊細な情緒描写と深い思索を展開する緊張感みなぎる筆力は脱帽ものです。脳神経外科に関する疾患病理や手術室の日常的雰囲気や患者とのやり取りなど実際的な臨床場面もかなりリアル。同僚とのスカッシュは余分だけどその土曜日の予定に入ってたんだから仕方ないか。
妻はメディア企業付き弁護士というエグゼで未だに夫と濃密に愛し合え、長女、長男たちも多少の問題はあるが立派に成長してる愛すべき若者たちです。
でも、そんな幸せな上中流家庭の日常にはちょっと興味湧かないかも。
家族が侵入者の脅威に立ち向かう後半はスリリングですが単に美しき筆力の為せる技かも。McEwanともなると期待が大きいだけに少し腰砕けといったところでしょうか。

個人的には『The Innocent』の主人公が「ゾーリンゲン、ゾーリンゲン、ゾーリンゲン・・・」とつぶやきながら遺体を切断するシーンが、今でもMcEwan作品の中では、逼迫され歪められた精神状態の描写の最高到達点だと思ってます。20年近くたったあとでも「ゾーリンゲン」が脳裏にこびり着いています。本作ではそのような鬼気迫るような描写はあったでしょうか。やはりこれはキャラクター設定の甘い、技術系の作品だと思います。9/11後の世情の不安が個人の精神状態の歪みに変容されるさまをMcEwanなら描けると期待してたのです。
マキューアンにしては ★★★☆☆
 相変わらず話運びのテンポがいいし、『贖罪』(Atonement)にはなかったユーモラスなところも散見されて、ぐいぐい読ませるのだけれども、マキューアンとしては平均点の出来ではないか。(物語展開にどことなく既視感があると思ったら、ドラマ『ER』にこんな感じのエピソードがなかったっけ? しかも『ER』のほうが、ぐっと胸に迫る描き方ができていたのでは?) マキューアンには、『愛の続き』(Enduring Love)みたいな本をまた書いてほしいものです。
Present Tense ★★★★★
Ian McEwan の Atonement 以来の作品。
Atonement は過去を考察するために書いたが、今は現在を見つめることが義務だと思う(特に9/11の恐怖のあとでは)と、著者はある誌上で語っている。そしてこの小説の設定は2003年2月15日・土曜日。この日ロンドンでは迫りくるイラク戦争に反対して200万人規模のデモが繰り広げられた。

ロンドンに住む有能な神経外科医、Henry Perowne の土曜日が描かれる。弁護士の妻、詩人として花開きつつある娘、ミュージシャンの息子。老詩人の義父、介護ホームに暮らす母。小説は土曜日のできごとを現在時制で、折にふれHenryの心に浮かぶ過去のことがらを過去時制で語っている。

空前のイラク戦争反対デモはHenryも加わっているのではなく、あくまで背景としてある。(Henry自身はイラク戦争を支持し、フセインを倒すことが優先だと娘と論争する場面がある) そしてテロへの恐怖、混迷の世界の状況が個々の人間の生活にぬきさしならない不安や脅威を与えているという思想がこの小説の根本にある。

土曜日の1日にHenryが遭遇したできごと、触れあった人々、自身の中の葛藤が淡々と印象的に語られ、後半は一段と緊迫した場面へと展開する。同時に全編を通して深い人間への愛が感じられる。
この小説はMcEwanの他の作品と同様、あるいはそれ以上に、語彙もコンセプトも私には難しかった。しかしなんとか読み通した結果、特にその結末の部分には深い余韻が残った。

A moving story ★★★★★
Saturday brilliantly depicts life in a post 9/11 environment and successfully portrays a world of divergent but understandable differences. This novel’s varied attributes places it in the line of great stories like DA VINCI CODE, DISCIPLES OF FORTUNE, THE TRIUMPH OF THE SUN, NEVER LET ME GO. They have at their core mystery, love, happiness, hope, sufferings and uncertainty.