タナー家の生活に転がり込んできた毛むくじゃらの異星人が主人公の、傑作ファミリー・コメディが再登場。『アルフ』第2シーズンは、第1シーズン同様にウィットの効いた笑い満載の全26話で構成。メルマック星からやって来た、小柄で皮肉屋のアルフ（Alien Life Form=地球外生命体の略、声はポール・フスコ）は、4年にわたる放送期間（1986年～1990年）の2シーズン目にして、早くもタナー家にとってかけがえのない（そして、図々しい）一員となっている。ストーリーラインの多くは、アルフとウィリー（マックス・ライト）の掛け合い漫才を最大限に強調。今回のアルフは毒舌に拍車が掛かり、異星人移住計画やら、メルマック星人式しゃっくりやら、修道院への一時的出家やらで大笑いさせてくれる。さらに、デビッド・レターマンの番組で司会をしてみたり、“ボックスカー・ウィリー”と列車に乗ったり、「野生のエルザ」を勝手に改変して口ずさんだり、“アルカトラズ”への軟禁を抗議したり。相変わらずフレッシュな展開を見せてくれるのは、ベテランぞろいの脚本家チームの功績だろう。その何人かは、今シーズンで本シリーズ初参加となった。子ども向けのキッチュな魅力と微妙なニュアンスに富んだ大人っぽいユーモアのバランスを見事に取ったことで、『アルフ』は今なお80年代ファミリー・コメディの金字塔たり得ている。アルフは決して下品な行為に走ったりはしない。そんなことよりも、どこの星の生物だろうと小馬鹿にしてかかる異星人の目を通して、人間というものを風変わりかつ複眼的にとらえ続けたのがこの番組なのだ。今回のハイライトとなるエピソード「夢のギリガン島（Ballad of Gilligan's Island）」は、特に必見。アルフは庭に小さな沼を作って、テレビ・ドラマ『ギリガン君SOS』に出てくる島に見立てるが、やがて本当の「楽しさ」とは何かを知る。『ギリガン君SOS』のキャストであるボブ・デンバー、アラン・ヘイル、ラッセル・ジョンソン、ドーン・ウェルズのカメオ出演も嬉しい。全4枚組で、アニメ版の2エピソードも収録。（全年齢対象）（Lynn Gibson, Amazon.com）