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一古書肆の思い出〈2〉賈(かいひと)を待つ者 (平凡社ライブラリー)

価格: ¥1,404
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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古書の世界の奥深さを教えてもらった書籍です ★★★★★
反町茂雄さんの『一古書肆の思い出 (2) 賈(かいひと)を待つ者』を久しぶりに読み返しました。1986年12月に発売された直後に入手したものです。今は見ることのできない活版で印刷(時代的にはまだ活字があったはずですから)されたように感じる風合いの本です。

これは昭和7年から20年にかけて筆者が本郷で独立して弘文荘を始めた頃から書かれています。取り扱うものも古典籍に限定するなど独特の価値観を持っていました。

古典籍を扱うという特殊な売り立てをしている訳で、知識や教養、学問的な裏づけがないと務まりません。自伝ですし古書を扱ったノンフィクションですが、臨場感と緊張感に包まれています。戦前は古典籍を扱うには良い時代だったのでしょうし、その時代の波を上手く捉えた商才と高い審美眼は他の追従を許さない存在でした。

大収集家も沢山登場しますし、それぞれの行き様に触れることによって戦前の富豪層や知識人階級の関心事も垣間見ることができました。戦前の国文学界の大御所の名前も飛び交い、研究史としても興味をひく内容が続きます。これだけ幅広い古典籍に精通した人はいませんし、今後も出ないように思います。魅力的な生き方でした。

本書の主な内容です。
発足時の明暗(書誌学の最高峰『訪書余録』 「古文学秘籍叢刊」の失敗)
全国に張りまわす珍本捜索網(四ヶ月間に天下一品三種 裸のプリンス、重要美術品に営業の大宗は、国書の古写・古版本 ほか)
大入札会の諸相 悦びと悲しみと(昭和期最大の売立 富岡文庫 トンビに油揚げ、大永版『式目』の発見 善本蒐集は有利な貯蓄 林若樹文庫 ほか)
時代の波と古典籍業界(書林定市会の世代交代 海外大図書館からの古典籍初注文 スペンサー・C(コレクション)の世界的実力 ほか)