興味深いことに、ここに収められている楽しいチューンには、意外と社会的なコメントが盛り込まれている。たとえば「Staying Alive」の歌詞は、ダンスを社会的疎外からの命がけの逃亡手段として描いている点で映画『ひとりぼっちの青春』をほうふつとさせる。まあ、そういう要素もあるということだ。ディスコ・ブームを要約しているのは、その後に続く「Night Fever」や「Disco Inferno」を始めとする、スパンコールを散りばめた白スーツで踊るときの定番曲のほうだろう。いずれの曲もメロディーと歌詞に強い個性をもっていることは注目すべきだし、また驚くべき点でもあるといえる。だからこそ多数のヒット・シングルが出たのだ。
あの時代を知っていれば聴きたくなる。あの時代を知らなくても聴きたくなる。つまりはそういうことだ。(Roger Thomas, Amazon.co.uk)