ファラオといえば、どんな政治を行ったとか、どんなの建造物を建てたなどに関心
が偏りがちだが、この書籍は私生活それも食に関することに焦点をあてた珍しい
本だと思う。
神に等しい存在のファラオの人間的な生活を垣間見れて、非常に面白かった。
文章も非常に読みやすく、お勧めです。

古代エジプトについての概説書は数多くあるが、『食文化』という視点からまとめたものはほとんどない。文庫で簡便な体裁ながら、パン、肉食、魚食、酒、宴会のありよう、野菜にスパイスと、古代エジプトの食生活を概観し、食生活から見える、庶民の生活も含め、わかりやすく解説している。
非常に文章も読みやすい。古代エジプトに関心があれば、楽しく興味深く読める。文庫という体裁で安価なためか、写真はすべてモノクロだが、カラーで見たければ別の本だが『ファラオのレシピ』という、吉村教授による翻訳書もある。でも、内容的には本書がお勧め。