婦人科MRIの読み方について、正常構造に始まり、主要疾患の画像診断におけるポイントが、key filmとともに記載されています。何を持って鑑別点とするかが、明確に記述されており、大変わかりやすいです。

『画像診断を考える』においても、引用率が高く、専門家の間でも人気なようです。婦人科MRIに関し、最初に読む本として適切です。欠点としては図の矢印や脚注が違ったりの誤植が目立つことが挙げられます。とは言えこのページ数で、この内容の濃さはすごい。113頁/8時間。2週目3時間。

婦人科はこの本と「婦人科MRIアトラス」を持っていますが、こっちの方が診断する際の思考過程が身につく書き方になっています。タイトルどおり、単に画像の特徴を紹介するだけでなく、「読み方」が身につく本だと思います。薄いのに、大事な疾患は網羅されており、箇条書き形式のまとめがあり、婦人科MRIの全体像を把握するには最適の本。

　CTの画像なら少しは見ようという気になれても、産婦人科では画像のほとんどがMRIで、しかも見慣れない矢状断画像が中心です。何から手をつければいいのか分からず途方にくれていたときに、この本に助けられました。
　さすが、「世界の富樫」と言われるほどの富樫先生が書かれただけあって、全く予備知識がなくても分かりやすく、ポイントが絞られています。写真が豊富で文章も簡潔なので、３日もあれば十分読め、読み終わるころには婦人科MRIに全く抵抗がなくなります。
　まずはこの本を通読して、後は『婦人科MRIアトラス』で細かい知識を入れていけば、婦人科の読影はほぼOKではないでしょうか。