KEY BOOKシリーズの女性骨盤編です。アトラスと題していますが、同シリーズ共通のレイアウトで、左にKey Film、右に解説を配した視認性の高い構成になっています。女性骨盤内疾患につき、概観できます。
　この本は、疾患が”見た目”の所見ごとにまとめられている点が特徴と言えます。例えば、「充実性構造を伴う嚢胞性腫瘤」といったタイトルで、それに該当する疾患がその章に並んでいます。そのため、多様な概観を示す疾患は、ところどころに重複して紹介されています。絵合わせ的に診断していくことができ、便利です。
　もうひとつの特徴は、鑑別疾患を考えるための、戦略概論と、decision treeが各章に設けられており、こちらも同様に便利です。

　秀潤社の KEY BOOKシリーズはどれも本当に見やすくて使いやすく、重宝しています。気がついたら、このシリーズの本はほとんど全て買っていました。
　富樫かおり先生の『婦人科MRIの読み方』をまず読んで、その後にこの本で婦人科疾患全体をだいたい網羅したあと、もう一回『婦人科MRIの読み方』に戻ると、また新たな発見がたくさんあります！
　特に、卵巣腫瘍の decision tree は、何から考えたらいいのか全くわからないような変テコな卵巣腫瘍に出会ったときに、すごく貴重な足がかりになってくれます♪
　この本なしでは、婦人科の写真、見れません!!