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The Third Man

価格: ¥1,837
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin Books
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映画でも見てみたい ★★★★★
戦争で荒廃したかつての音楽と芸術の都ウィーンが物語の舞台。ドイツと同盟となって第二次世界大戦を戦い敗戦した結果、米英仏露の4ヶ国に占領されていたまだ1950年より前の時代。
イギリス人ロロ・マーティンズは、学校時代の友人ハリー・ライムに招かれてそのウィーンにやって来たが、到着したその日にハリーの事故死を知らされ埋葬の場に間に合う。その場にいた警察の者キャロウェイから、ハリーが闇のビジネスに手を染めていたことを聞かされ、それが信じられない彼は、ハリーの死について独自に調べ始める。やがて、彼はハリーの本当の姿を知ることになり、そして自分の行動を決定することになるが・・・。
ハリーの事故死の現場にいたのが3人の男達で、初め一人だけが誰か判らなかったから、それが第三の男・・・。ロロが事故死の現場にいたハリーの友人という男達から直接話を聞いたり、目撃者を尋ねたりするあたりは、普通の会話でありつつ緊迫感があり、また時々伏線が張られているので、読者の方ももしかして・・・?と、真相が明らかになっていく過程でドキドキしてしまいました。
ハリーの自分の闇商売や物の考え方を語る場面はある種凄みがあって、この部分は映像を見なくとも、とても真に迫ってくるもとして感じられましたね。
2月の冷たい空気に余計に寒々と映る荒れ果てたウィーンの風景と、占領地としての混乱から来る暗さの描写が印象的で、ハリーの謎めいた悪漢ぶりはやはりこれらと無関係ではないなと思いました。
また、お酒好き女性好き、特にハリーの恋人であった舞台女優アンナを好きになってしまうという人間らしさがあるロロ・マーティンズとの対比において、余計にハリーの冷徹振りが際立っていると思いましたね。
最後の方の驚きの結末は、事件が一定の解決をみたとはいえ、謎の部分がまだあるような感じや、何ともいえない暗い気持ちが残りました。
ロロ・マーティンズがちょっとダメ男というか愛すべきキャラクターなので、唯一ともいえる救いだったと思います。