Speak
価格: ¥906
リンジー・ローハンが、ついに待望のCDデビュー。過激な歌詞の、レッド・ツェッペリンの焼き直しのような「First」に始まり、ティーンポップというのはこんなものだろうという予測に対し、スタイリッシュなやり方で巧みに攻撃を試みている。影響が大きく感じられるのは、彼女の8~14歳のファンたちが夢中になったりファンたちの見る雑誌に載っているようなアーティストばかりではない。アシュリー・シンプソン風のロック「Nobody 'Til You」からジェシカ・シンプソン風の「Symptoms of You」に転じ、失恋を歌った「Something I Never Had」では、ローハンとはまったくタイプの違うリサ・ローブから借りてきたような甘くさりげない声を聞かせている。 こう比較するのはローハンにとって意外なことかもしれないが――だが、彼女は結局「Ultimate」が生んだ新しいティーンエイジのドラマクイーンなのだ――「Disconnected」「Anything But Me」のような荒々しい自己探求の歌には、同じくティーンの女王であるヒラリー・ダフ印がしっかりと押されている。しかし、『Speak』で最も歌声に力が入っているのは、ロックの色調が薄く、ビートのきいた曲のほうだ。タイトル曲はそそるようにリズムをきざみ、「さあ、全部さらけだして(c'mon and let it out)」とリスナーの手拍子を誘う。「To Know Your Name」はデジタルサウンドを使ったセクシーなヒップホップ調のダンスナンバー。ジェイロー(ジェニファー・ロペス)風のビートでスターダムの落とし穴に口をとがらせてみせるベスト3のうちの1曲、「Rumors」が、ディーバ行き直行便という雰囲気でこのCDをしめくくる。(Tammy La Gorce, Amazon.com)