十人十色のあたたかな着物への思いが伝わってくる本
★★★★★
着物の本というと、華やかな芸能人や文化人が、
声高に着物への思いを語っているものが多く正直、読み疲れする。
が、この本は、もうちょっと違う世界で、自分の道をしっかり歩いている女性たちが、
自分の着物への思いを、程よい温度で語っていて、とても好感が持てた。
ありがちな「ほらほら、私の着物や帯すごい?みてみて!」という
鼻につくものがないのだ。むしろ静かに深く抱く着物への思いを、
それぞれが自分の持てる力で形にしながら、日々を楽しんでいる…
そんなワクワク感が伝わってきて、じわっと幸せな気持ちになった。
写真もとても美しいし、メリハリのある構成も、フォントの選択にも
センスが感じらる。
ただ願わくば、もう少し大きい活字にしてもらえると、
私のような子育て一段落したから着物…という老眼必要世代の
着物初心者にはありがたかったかな。