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華の棺 (朝日文庫)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞出版
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スカスカ ★☆☆☆☆
 『女流作家』の時も感じたが、西村京太郎にはもうミステリー以外は書けないのだろう。西村と山村美紗、松本清張と高木彬光を描いているが、大物作家たちの秘密に触れているという緊迫感がまるでない。エロティックなものがまるで感じられず、ただあらすじでも読んでいるようだし、古代史関係のネタもひどすぎ。要するに「人間」が全然描けていない。
西村京太郎の過去と未来 ★★★★★
多くの脚色がなされているものの、登場人物の夏子は故山村美沙氏であり、没後10年での鎮魂作品という位置付け。
また、登場人物の矢木は、著者の西村京太郎氏自身が、脚色されて著されていると思われ、大変興味深い。
この作品での、主要登場人物は、ほとんどが作家だ。

本書では著者の過去と未来が綴られている。
過去に相当する部分は、故山村美沙氏との関係と、彼女の特異な性格の披露だ。
彼女は独特な気性の持ち主であり、精神的に病んでいる面もあった様だ。
このいきさつが描かれるのが、本書の大きなテーマだ。

一方、著者が、出版社や編集者を皮肉っている部分がある。
作家が病魔に倒れた時、編集者は、作家の健康よりも、原稿の方を優先して気遣う。
人間として、どうかとは思うが、企業などを含めて、個人の健康よりも、
組織の運営の方が優先されてしまうという面は、あるにはある。
それが社会の仕組みであるとはいえ、作家とは、ある意味、非常に寂しい仕事ではある。

著者の未来を感じる部分は、歴史小説が挿入されている点だ。
普通の歴史小説は、おおむね史実に沿っていて、作家が想像を加味する。
ところが、挿入されている古代史を中心とした歴史小説部分は、想像ではなく創造だ。
史実が不明の部分に、架空の新しい歴史資料の発見を盛り込み、著者は何と、歴史を創造した。

未来を創造するのではなく、過去を創造するというところに、著者の未来を感じた。
ベテラン作家故の、洗練された面白さを味わえる。
もうひとひねりほしかったかも・・・ ★★★☆☆
2000年に刊行された「女流作家」の続編(完結編)ともいえる作品。主人公のモデルはいわずと知れたミステリーの女王・山村美紗。前作「女流作家」では、主人公・夏子とその恋人矢木との間に微妙なミゾができ、一人旅に出た夏子は「今後どうしよう?」という中途半端なところで終わってしまいましたが、本作は、その旅の終わりから始まります。推理小説界の両雄・志賀と蔵田との三角関係と死別、持病の喘息との戦い、矢木の病、そして彼女自身の突然の死。
志賀と蔵田の邪馬台国に関する論戦はサイドストーリーですが、古代史好きの私には楽しいものでした。志賀と蔵田のモデルはだれかな?などと考えながら読むといっそうおもしろいです。
ただ、夏子の死とそれ以降の記述については、やや不満が残ります。確かに主人公のモデル・山村美紗氏の死はあまりにも唐突な事件ではありましたが、肝心の恋人・矢木がその事実をどう受け止めたかが全く記されていないので・・・
。小説はあくまで夏子視点で描かれているので仕方ないのかも知れませんが、矢木視点での夏子というのを読んでみたい気がします。
スカスカ ★☆☆☆☆
 『女流作家』の時も感じたが、西村京太郎にはもうミステリー以外は書けないのだろう。西村と山村美紗、松本清張と高木彬光を描いているが、大物作家たちの秘密に触れているという緊迫感がまるでない。エロティックなものがまるで感じられず、ただあらすじでも読んでいるようだし、古代史関係のネタもひどすぎ。要するに「人間」が全然描けていない。
西村京太郎の過去と未来 ★★★★★
多くの脚色がなされているものの、登場人物の夏子は故山村美沙氏であり、没後10年での鎮魂作品という位置付け。
また、登場人物の矢木は、著者の西村京太郎氏自身が、脚色されて著されていると思われ、大変興味深い。
この作品での、主要登場人物は、ほとんどが作家だ。

本書では著者の過去と未来が綴られている。
過去に相当する部分は、故山村美沙氏との関係と、彼女の特異な性格の披露だ。
彼女は独特な気性の持ち主であり、精神的に病んでいる面もあった様だ。
このいきさつが描かれるのが、本書の大きなテーマだ。

一方、著者が、出版社や編集者を皮肉っている部分がある。
作家が病魔に倒れた時、編集者は、作家の健康よりも、原稿の方を優先して気遣う。
人間として、どうかとは思うが、企業などを含めて、個人の健康よりも、
組織の運営の方が優先されてしまうという面は、あるにはある。
それが社会の仕組みであるとはいえ、作家とは、ある意味、非常に寂しい仕事ではある。

著者の未来を感じる部分は、歴史小説が挿入されている点だ。
普通の歴史小説は、おおむね史実に沿っていて、作家が想像を加味する。
ところが、挿入されている古代史を中心とした歴史小説部分は、想像ではなく創造だ。
史実が不明の部分に、架空の新しい歴史資料の発見を盛り込み、著者は何と、歴史を創造した。

未来を創造するのではなく、過去を創造するというところに、著者の未来を感じた。
ベテラン作家故の、洗練された面白さを味わえる。
もうひとひねりほしかったかも・・・ ★★★☆☆
2000年に刊行された「女流作家」の続編(完結編)ともいえる作品。主人公のモデルはいわずと知れたミステリーの女王・山村美紗。前作「女流作家」では、主人公・夏子とその恋人矢木との間に微妙なミゾができ、一人旅に出た夏子は「今後どうしよう?」という中途半端なところで終わってしまいましたが、本作は、その旅の終わりから始まります。推理小説界の両雄・志賀と蔵田との三角関係と死別、持病の喘息との戦い、矢木の病、そして彼女自身の突然の死。
志賀と蔵田の邪馬台国に関する論戦はサイドストーリーですが、古代史好きの私には楽しいものでした。志賀と蔵田のモデルはだれかな?などと考えながら読むといっそうおもしろいです。
ただ、夏子の死とそれ以降の記述については、やや不満が残ります。確かに主人公のモデル・山村美紗氏の死はあまりにも唐突な事件ではありましたが、肝心の恋人・矢木がその事実をどう受け止めたかが全く記されていないので・・・
。小説はあくまで夏子視点で描かれているので仕方ないのかも知れませんが、矢木視点での夏子というのを読んでみたい気がします。