ヒマラヤ山脈のカンチェンジュンガ山のふもとに、年老いた裁判官が苦々しい思いで暮らしていた。彼はリタイヤして平穏な日々を送ることだけをただひたすら望んでいた。しかし、孤児となった孫娘サイが彼の元にやってきたり、彼の料理人の息子が米国移民帰化局の調査から逃れつつ生活していたりといった事実が、そのことを難しくさせていた。
ネパールで勃発した内乱が、サイと彼女のハンサムな家庭教師との間に芽生えた恋を脅かし、彼らは否応なしに利害関係について考えさせられることになる。裁判官は過去を振り返り、歩んできた道や、希望と裏切りが入り混じり欲望が交錯するこの貪欲な世界における自身の役割に、再び目を向けなければならなくなる。