さわやかな続編そしてタイトル
★★★★☆
前作に続き、なつかしい響きがするタイトル。
携帯が普及して「すれ違う」ことが昔より減った今。
なんだか一呼吸して表紙をめくると…
巴子と綾香がつつましやかに生活しています。
世代的に綾香に注目してしまいます。
投げやりにならず地道に努力しながら
前作同様、巴子の成長を見守る姿に感動します。
松坂慶子さんあたりにドラマ化してほしいものです。
芭子と綾香、仲良しの二人の息のあった掛け合いがおもしろかった
★★★★☆
ムショ帰りコンビのシリーズ第一弾は未読だが、それでも十分に楽しめる内容だった。ムショ帰りであることを気にしながら怯えて生きている芭子と、パン屋になる夢をもって精一杯生きている綾香、仲良しの二人の息のあった掛け合いがおもしろかった。また、意欲もなく何をしていいか分からない芭子が、徐々に生きる意欲を見出しながら夢に向かって頑張って生きていく様子は応援したい気持ちになった。
ストーリとしては、「コスモスのゆくえ」が一番好きだった。真夜中に突然電話してきたり、食事をご馳走してもらうのが当然だと思っていたりと無神経なところがあるまゆみ。最初は同情して力になりたいと思っていた芭子と綾香だが、徐々にその気持ちも醒めていく。まゆみの描写がこんな人いるなぁと思えるほどリアルだったのもよかった。
面白かったです!
★★★★☆
欠かさず読んでいる乃南アサさんの新刊です。
以前発売された『いつか陽のあたる場所で』のムショ帰りコンビ芭子と綾香のシリーズ第二弾です。
今回は、梅雨の晴れ間に/毛糸玉を買って/かぜのひと/コスモスのゆくえ、の4つのエピソードから構成されています。
どのお話もいつもながらの丁寧で無駄がないスッキリとした読みやすい文章で
今回も乃南さんの文章力には圧倒されました。
内容も身近に感じられそうな話もあるのですが、先が気になって本を閉じる事が出来ませんでした。
最後のお話に至っては無神経極まりない女性(まゆみ)の行方が気になって結局一気読みでした。
内容も面白かったですが、昔と今の(やばい)の使い方の違いや
ペット達の洋服についてのくだりも中々為になりました。
インコがうっとりとする描写ではその場面を想像してとても幸せな気持ちになれました。
芭子と綾香に付いては言うまでもなく人物描写も完璧で絶えず脳内映像で動いていました。
やっぱり乃南さんの作品は面白いです。