【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:大谷實/著 前田雅英/著 出版社名:有斐閣 発行年月:1999年04月 関連キーワード:エキサイティング ケイホウ ソウロン えきさいてぃんぐ けいほう そうろん、 ユウヒカク ユウヒカク 8611 ゆうひかく ゆうひかく 8611、 ユウヒカク ユウヒカク 8611 ゆうひかく ゆうひかく 8611 この本は、「法学教室」誌の対談「エキサイティング刑法」の総論部分(一八回分)に手を加え、一冊にまとめたものである。 戦後の刑法学説の対立形式的犯罪論と実質的犯罪論実行行為因果関係不作為犯について違法性について正当防衛と緊急避難故意について錯誤について過失について〔ほか〕
当時の空気を表した企画
★★☆☆☆
90年代を中心に、学生内で一世を風靡した二人による対談。
当時、大谷説・前田説を支持する人たちが、よくあちこちで
エキサイトして議論を交わしていたものです。
ただ、このお二人、実は学説的にはあまり両極を代表していないことは
留意が必要でしょう。両者は「理論の柔軟さと、実務に親しみやすい結論」
において共通しています。実はかなり歩み寄っている立場なのです。
(団藤・大塚などと、それに対抗する西田・山口などを見れば明らか。)
学生の間で熱狂的な支持を集めることになったのもその辺りにあると
いえるでしょう。したがって、“良くも悪くも折衷主義”のこのお二人の
対論は、理論的にはそれほどホットなものではないといえます。
ここを学説の天王山のようには勘違いしない方がいいでしょう。
なお、若干長すぎるかなとも感じます。総論と各論で一冊に
まとまっていて、改訂もされていたら、個人的にもう少し
評価したかったところです。
教師二人による生講義のような好著
★★★★★
総論と各論の全二冊。雑誌などによくある、対談形式で当代の
一流学者が刑法について議論を交わしている。
刑法は他の法律に比べ、違法性の認定など基準の認定に曖昧とも取れる
部分が多いのだが、本書の対談では双方の学者が話し合いながら
曖昧な部分を整理していく。一緒に考え、話を聞いているような、
まさに討論番組を見ている第三者のような気分になるので、刑法の曖昧な
部分に対する実感がつかみやすい。対談している学者自体が平然と相手に
「あなたの理論の趣旨が分かりかねるのですが」と言っていたりする(笑)
話が煮詰まるまでの過程を一緒にたどることで、一見面倒そうで実は
とても高度で分かりやすい刑法の概念の解説書になっている。
しかし刑法用語が注無しに乱れ飛ぶため、完璧な初学者にはオススメしない。
一回軽く刑法を学んだ後に読むのが吉。
あまり他の方の評価はよろしくないようだが、個人的には
対談形式なのでリラックスして読めて良かった。何よりも
前田氏と大谷氏の対談自体が読んでいて面白いというのがいい。
形式か実質か
★★★☆☆
形式的犯罪論と実質的犯罪論の基本を勉強するのには良いと思う。しかし考え方そのものが違うので議論が平行線を描いて尻すぼみになる箇所も多々見受けられる。一通り刑法の基礎を終えた人が学説の選択を迷っている頃に適していると思う。
異なる説を代表する二人
★★★★☆
一元論と二元論の戦い。他の学問分野でいうならば、生物学でいうところの、リチャード・ドーキンス対スティーヴン・J・グールドの対談集といったところ。といっても、そこはやはり結局は常識的な結論に落ち着かせるのが法律学であるから、バチバチのケンカになるわけではない。また、注意すべきなのは、ヌルイ題名に反して、内容は学問的には極めて高度なことを扱っているので、間違ってもまったく刑法を学んだ人が手にするべきではない。