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高橋是清自伝 (上巻) (中公文庫)

価格: ¥760
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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好々爺 ★★★★★
 後に総理大臣にまでなる、高橋是清。日本経済の救世主。その数奇な人生の前半を語る自伝です。徒手空拳で、明るく朗らかに生きていく高橋是清は、青空のような性格の持ち主だと思いました。
また、江戸から明治にかけての話も非常に面白かったです。私は、高校で日本史を習っていますが如何に現実感が無い授業だったかと思います。日本経済の流れは知っていても、そこに生きる人の息遣いが聞こえてこない。本書は、まさに息遣いが聞こえてくるような。心臓の音を聞くような、そうして聞き古されたものの中に新鮮さを見つけられます。

 今、日本経済がこれだけ落ち込んでいる時だからこそ読んでみるのも面白いと思います。最初から、なんでも上手くいったわけでもないし、成功ばかりじゃない。日本は、最初から経済大国だったわけじゃない。そんな当たり前のことに気がつかされます。
 しかし、柔軟で強くしなやかな国であったと、これを読んで思いました。
波瀾万丈豪放磊落、素晴らしい人生 ★★★★★
 高橋是清誕生から昭和10年頃までの波瀾万丈の人生を記録したものである。上下巻に分かれているが、特に上巻では是清翁が初代の専売特許所長になるまでのいきさつや、特許制度制定に関しての経緯が事細かに記されている。このため、我が国の特許制度の歴史を語るときには必ず登場する書物で、文献としての価値も高い。
 彼の人生は文字通り波瀾万丈、性格は豪放磊落、「本当にこのようなことがあったのか」と思うようなことが次々に書かれていて飽きることがない。若くして(弱冠14歳!)仙台藩からアメリカに留学し(慶応3年)、英語を習得して帰国後の活躍が始まるが、酒の飲み過ぎや相場に手を出したりして一悶着を起こしても、きちんとした仕事に就くことができたのは、是清の能力と人徳によるものであろう。それにしても、少々の汚点があっても能力ある者を登用する時代があったことがわかるのは嬉しい。
若くして(32歳)初代の専売特許所長に就いたが、大臣の指示に反して、外国人の特許出願を認める代わりに不平等上条約改正を外国に認めさせることを大臣に主張するなど、自らの地位に拘泥せず正しいと思うことを優先する生き方を貫いたのは流石。それなりの地位にある人には、このように志を高く持ってほしい。
 とにかく、是清の生き方、考え方を通して激動の時代を垣間見ることができる楽しい本です。是非ご一読を。
事実は小説よりも奇なり ★★★★★
高橋是清の人生については、彼の同時代人からも「事実は小説よりも奇なり」という言葉が寄せられているが、本当にその通りだと思う。
出版する必要もないような自伝を書く人間が多い中、彼の自伝はもっと多くの人に読まれるべきだと思う。

極上の一冊。
日常に疲れた時に、是非。
ユーモラスで赤ちゃんみたいにかわいらしい偉人 ★★★★★
全編、ユーモラスで笑ってしまうパーソナリティで溢れている。少年時代の密航みたいな渡米の途中、鼠を食って喜んでいたり、米国で雇われたと思って得意になって自慢してたら奴隷に売られていたり、などなど、えっ?って思うような話が平気でじゃんじゃん出てくる。赤ちゃんがそのまま大きくなったようなかわいらしさが残っているのに、エネルギー抜群、優秀さと体力は図抜けているところが凄い。勝海舟の家に通訳で言ったときのこと、英語教師をやりながら大酒を食らって騒いでいた頃の話、など当時の様子を知ることができる話もいっぱい。しかし、特許というものを日本へ導入して、特許庁を設立するなど肝心なところで凄い仕事をしている。ペルーの銀山で詐欺に掛かって身上を潰してしまうのが37歳、それから日銀の建築の事務所の仕事を皮切りに、次々と難問を解決、全くの素人が中年から銀行屋へ転身、横浜正金銀行の重役、ついには、日銀副総裁となり、クライマックスは、日露戦争の資金集めに外債引き受け相手を探しに行くところだ。まさに、日露戦争の裏話だが、これが成功しなければ203高地も、奉天会戦も、日本海海戦もありはしない。差別や偏見を打ち倒して目的に進んでいく姿は爽快ですらある。喉から手が出るほど欲しい金でも、相手が高飛車に出てくれば、そこは国家の代表との自覚からぐっとこらえて相手に立場を気付かせてから交渉に入るなど、並みの財務屋ではない。本書には、著者のもう一つの歴史的大事業、金融恐慌の後始末と、金本位制廃止に到る昭和九年から死に到る高橋財政の時代は、収録されていない。その後半生の一部は、別著「随想録」で知ることが出来る。
波乱万丈の人生前半 ★★★★★
生まれてすぐ里子に出された赤ん坊時代からペルー銀山の失敗までの半生を語る。書かれたのは昭和11年だが、現代仮名づかいで平易に書かれているので読みやすい。

仙台藩のアメリカ行き一行の中に入れてもらったはいいが、途中から奴隷にされて売られる身となってしまったことに気づいて帰国。明治維新の荒波を身につけた語学を武器に越えていくが、若気の至りの放蕩生活、上司との衝突などを経て、商標登録、専売特許制度の整備に尽力する。
しかし好事魔多し。ペルー銀山の話が持ち上がり、最初は一出資者のつもりが現地に赴いて指揮するはめに。これが全くの詐欺話で、ほとんど全財産を失う。

本人が語るので臨場感あふれ、明治20年代までの時代の雰囲気を味わえる格好の書。