これは愛の物語。
★★★★★
スライムが、腐った死体が、ドラキーが、友のために、大好きな人のために、命を賭けて戦う。
モンスターたちのこんな熱い魂を目の前にして、涙を流さずにいられるはずがない!
そして新たな仲間とともに新たな敵に立ち向かう。
ファン必見の小説版ドラクエ5、完結編。
子供2人が登場してからのエピソードがやや少ない。ビアンカと子供たちは特に。
★★★★★
冒頭で妊娠していた妻・ビアンカが男女の双子を出産。
自分が育ての両親の実子ではないと知り、この世の中に「血縁のある家族」が全くいないのだと知った彼女が抱えていた孤独感が「血縁のある息子と娘」を持ったことでどれほど埋められたか計り知れない。
初めて赤ちゃんを手に抱くシーンにそれがよく表れています。
しかし・・・そのビアンカを拉致され助けに向かうリュカと仲間モンスターたちもデモンズタワーで次々と・・・・・・・。
時間は残酷に流れていくが、その中でも「新しい世代を背負うべき命」はしっかりと生きているのだということ。
あれほどまでに探し求めた「伝説の勇者」は意外なところから世に登場する。
リュカの父「パパス」の想いが、母「マーサ」の想いが時空を超えて受け継がれ、世に勇者を誕生させたのである。
「5」のテーマは家族愛であろう。ただ・・小説版は両親と再会後の親子の触れ合いの描写が少ないのが惜しいのだが。
ラストシーンの後にビアンカは何人子供を産んだことだろうか?
私は「最低でも後5人」は産んだとみている。
息吐く間もないほどに賑やかで、もう彼女も「寂しさ」を感じることはないだろう。
いのまたさんの絵の方が・・・。
★★★★☆
小説ドラクエ5も、本書で完結です。
今回もゲームでは伝わりにくい部分を補いながら
感動的な文章を味わえます^^
ただ、子供が登場するまでに時間がかかり、そこから
最後までの話の流れが前巻までに比べると、少し急ピッチ。
もう少しじっくり書いて欲しかった部分があったりで、
消化不良な部分があるのは否めません。
最初の3分の1で、仲間モンスターがことごとく死んでしまうし^^;
あまりにもあっさりしていて、もう1巻あっても良かったんじゃ、と
思ってしまいます。
イラストがいのまたむつみさんがバージョンもありますが、
個人の好みもよりますが、そちらの方が絵柄あっている気がします。
よりファンタジーっぽく、文章に合っていると思います。
今では手に入れるのは難しいかもしれませんが、見かけたら
チェックしてみるのもいいと思いますよ。
不自由を常と思えば不足なし
★★★★★
この作品はドラゴンクエストシリーズの中でも、当時それ以前と比べ異色の作品のと呼ばれたTVゲーム「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をモチーフにして久美沙織氏が小説にした作品で、ゲームのオリジナルストーリーとは若干異なっておりますが、大変感動的でそれでいて、人間の本質に迫ってくるような深さも感じさせるストーリーに仕上がっております。それは、この作品の主人公「リュカ」が数奇な、激動に満ちた境遇の変化の中で痛めつけられ、忍耐を強要され、ずっと黙って耐えてきたにも関わらず、兜や剣を身に付けられないという残酷な現実を突きつけられますが、自分の役割というものをしっかり認識し、いずれやって来るであろう時のために辛抱し、待ち続ける。という点に集約されるのではないかと思いました。この人物自身は剣こそ持つことができませんでしたが、光り輝く杖を持ち、彼の何物にも代えがたい大切な家族、国家ひいては世界を照らし、守ることができました。己の運命に謙虚に耐え、そして、強く信じ続けた人物が最後の勝者となる。現代にこそ甦るべき美徳、観念がこの作品にはあるのではないでしょうか。
ドラクエⅤの魅力にせまる!
★★★★★
いわゆるこの小説シリーズの最終巻なわけですが、一巻や二巻と
同じく久美さんらしいロマンチックなストーリーが展開していきます。
主人公、ビアンカ、双子の家族愛がキレイに描かれていて、
とてもあったかい気持ちになれる作品です。