多少知識を仕入れてから
★★★★★
評判になったとき一度手に取りましたが、そのときは毛沢東と孫文の区別もつかない状態だったので、何が書いてあるのか、さっぱりわかりませんでした。
が! 学校の宿題で、「残留孤児の満洲」以外の満洲を調べなければならなくなり、それがどこにあったのかなど、多少は知るようになってから読み始めると、面白いのなんのって。
甘粕大尉や川島芳子など、実在の人物が絡まりつつ、肝心のストーリーは、作者の創造した敷島四兄弟が進めてくれます。この構成も洒落ているし、何より時勢に応じて敵対関係にもなりえてしまう四兄弟の関係がスリリング。もはや、緑林の徒の次郎の大ファンです。
終わるのがもったいない。読み終わるのも、もったいない。
何が書いてあるのかわからなくて避けた方は、ユーチューブで、満洲の宣伝映画(当時の日本が制作したもの)や、激動の昭和を振り返るアーカイブ映像などを見てからお読みになることをオススメします。